暑い日が続くと、「食欲がないから昼食を抜いた」「冷たい麺だけで済ませた」という日も増えるのではないでしょうか。体重を減らしたい方にとっては、食べる量が減ることを好都合に感じる場合もあると思います。
しかし、夏バテで食事を抜く日が続くと、夕方以降に強い空腹が出たり、身体を動かす元気がなくなったりしやすくなります。大切なのは、無理にたくさん食べることではなく、少量でも必要なものを組み合わせることです。
食欲がない日に起こりやすい食事の偏り
夏は、そうめん、うどん、パン、アイス、甘い飲み物など、口当たりがよいものに偏りがちです。これらを食べてはいけないわけではありません。ただ、主食だけの食事が続くと、たんぱく質、野菜に含まれるビタミン・ミネラル、食物繊維などが不足しやすくなります。
また、朝や昼をほとんど食べず、涼しくなった夜にまとめて食べるパターンもあります。1日の摂取量が同じでも、強い空腹の状態では早食いや食べ過ぎにつながることがあります。
夏バテ時の食事を整える5つの方法
1.一度に食べず、量を分ける
食欲がないときに、普段と同じ量を無理に食べる必要はありません。朝食を半分食べ、残りを午前中に回すなど、1回量を少なくして回数を分けます。
たとえば、おにぎり1個を一度に食べにくい日は、半分とヨーグルト、あとで残り半分とゆで卵というように分けられます。食べられる時間に少しずつ補う考え方です。
2.麺にはたんぱく質を1品足す
そうめんや冷やしうどんだけになりそうな日は、卵、ツナ、豆腐、鶏肉、納豆などを1品足します。薬味や冷凍野菜を組み合わせると、主食だけの食事よりバランスを整えやすくなります。
完璧な献立を作る必要はありません。「主食に何を1つ足せるか」と考えると実践しやすくなります。
3.冷たいものだけに偏らない
冷たい食べ物は口にしやすい一方、毎食それだけでは単調になりやすくなります。みそ汁やスープ、温かいお茶など、自分が食べやすい温度のものを一品取り入れてください。
体調や胃腸の状態には個人差があります。「身体を冷やす食品は絶対に避ける」と決めるのではなく、食べやすさと全体のバランスを優先します。
4.飲み物で糖分を摂りすぎない
ジュース、加糖コーヒー、乳酸菌飲料、スポーツドリンクなどは、水分と一緒に糖分も摂れます。大量に汗をかいた運動時に役立つ場面はありますが、日常の水分補給として何本も飲むと、気づかないうちに摂取量が増えます。
普段は水やお茶を基本にし、甘い飲み物は量と回数を確認します。食欲がないから飲料だけで済ませるのではなく、噛んで食べられるものを少量でも組み合わせましょう。
5.買い置きを「食べやすいもの」に変える
食欲が落ちてから買い物へ行くと、準備が面倒になり、欠食しやすくなります。次のような食品を用意しておくと便利です。
- パックごはん、冷凍うどん
- 卵、豆腐、納豆、ツナ缶
- 無糖ヨーグルト、牛乳または豆乳
- 冷凍野菜、カット野菜
- バナナなど食べやすい果物
これらは調理の負担が少なく、組み合わせを作りやすい食品です。体調に合うものを2〜3種類だけでも準備しておきましょう。
迷ったときの組み合わせ例
何を食べればよいか迷う日は、栄養計算を細かくするよりも、主食・たんぱく質・野菜や果物の3つをゆるく揃えることから始めます。たとえば、冷凍うどんに卵とわかめを足す、パックごはんに納豆とみそ汁を合わせる、食パンにチーズやゆで卵、バナナを添える、といった組み合わせです。
コンビニを利用する場合も、おにぎりだけで終わらせず、ゆで卵、豆腐、無糖ヨーグルト、サラダなどから1品を足すだけで選びやすくなります。食べられない食品を無理に選ぶ必要はありません。暑い日でも食べやすく、普段の生活で続けられる組み合わせを見つけることが大切です。
また、運動の前後にまったく食事ができないと、力が出にくくなったり、終わったあとに強い空腹を感じたりすることがあります。運動の直前は消化のよいものを少量にし、終わったあとには水分とともに、食べられる範囲で主食とたんぱく質を補いましょう。たとえば、バナナとヨーグルト、おにぎりとゆで卵などでも十分です。
「しっかり作れない日は食べる意味がない」と考えず、できる範囲で整えることが夏の体調管理にもつながります。翌日に食欲が戻ったときに普段の食事へ戻せれば問題ありません。
ダイエット中でも「食べない」ことを目標にしない
食事量を必要以上に減らすと、一時的に体重が軽くなることがあります。しかし、その数字には水分や胃腸の内容物の変化も含まれます。食事を抜いた反動で夜に多く食べれば、生活リズムも乱れやすくなります。
ダイエット中に確認したいのは、食べたか食べなかったかだけではありません。主食・主菜・副菜が大きく偏っていないか、食事時間が極端になっていないか、体調を保ちながら運動を続けられているかを見ます。
医療機関へ相談した方がよい場合
食欲不振が長く続く、体重が意図せず急に減る、強いだるさ、吐き気、めまいなどがある場合は、夏バテだけと自己判断せず医療機関へ相談してください。水分が摂れない、意識がぼんやりするなど熱中症が疑われる症状がある場合は、早めの対応が必要です。
持病がある方、食事制限を受けている方は、一般的な食事例ではなく医師や管理栄養士の個別の指示を優先してください。
まとめ
夏バテで食欲がない日は、普段と同じ量を無理に食べる必要はありません。一方で、食事を丸ごと抜くより、少量を分けて必要なものを組み合わせる方が続けやすくなります。
- 1回量を減らして回数を分ける
- 麺には卵・豆腐・ツナなどを足す
- 甘い飲み物だけで済ませない
- 調理しやすい食品を買い置きする
- 不調が長引く場合は医療機関へ相談する
自分の生活に合う組み合わせが分からない場合は、できていないことを責めるのではなく、まず一食だけ整えるところから始めてみてください。食事の組み立てに迷う場合は、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 国立健康・栄養研究所「食生活指針」https://hfnet.nibiohn.go.jp/specific-health-food/dietary-guidelines/
- 厚生労働省「熱中症予防のために」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000212502.html
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